はじめに
古墳時代(3世紀中ごろから6、7世紀ごろまで)は、文字で書かれた資料がほとんど残っていません。だからこそ、モノや遺跡から過去の出来事や想いを調べます。
そして、古墳ってとても「良い」んです!
形が好きっ ──古墳の形から、関係性がわかる!?
古墳といえば、多おおくの人はかぎ穴のような形のもの(前方後円墳)を思い浮かべると思います。でも、前方後円墳を作ることができるのは、一番えらい人だけです。他の形の古墳を作る理由は、王様と認めた誰かがいるからなのです。
鞍岡山古墳群は、丸い形の円墳です。鞍岡山古墳群を作った人たちは、木津川の西側地域を支配しながらも、他の誰かに従っていたのかもしれません。
副葬品が好きっ ──言葉を話さないモノから過去を解き明かす!?
亡くなった人と一緒に埋められるモノを副葬品と呼びます。
いろいろな古墳の副葬品を比べていくと、亡くなった人の立場だけでなく、古墳が作られた当時の技術力・その当時の考え方・交流のあった地域などを考える手がかりになるんです!
写真1:鞍岡山3号墳からは、古墳時代前期と中期の両方の特徴を持つよろい(短甲)が見つかりました。当時のよろいの作り方がどう変わっていくのかを考える上で、大きな手がかりになります。
はにわが好きっ
古墳の一番上や、古墳近くに作られた島のような場所では、死後の世界をイメージして、はにわという土で作られた置物が並べられました。はにわは、古墳を作った当時の人たちが考える「あの世」の理想のすがたを表しています。
写真2・イラスト:鞍岡山3号墳で見つかったはにわには、亡くなった人の魂が乗る船がえがかれていました。