国指定有形文化財(重要文化財)

常念寺「木造菩薩形立像」

じょうねんじ/もくぞうぼさつぎょうりゅうぞう
古い信仰のあり方を伝える

常念寺木造菩薩形立像

文化財に指定されているのは菩薩形立像。精華町内でもっとも古い仏像で、平安時代前期の9世紀に制作されました。高さは約170センチ、宝冠をかぶり、天衣を両腕から足元へゆったりと垂らしています。一本の木から頭、体部、両手首までを掘り出した「一木造」(いちぼくづくり)で、堂々とした存在感があります。

しかしこの像の特長は、その由緒やすぐれた造形技術だけではありません。古来、日本には神と仏が融合した「神仏習合」の考えがありました。この仏像は、その神道と仏教との融合によって生まれた像と考えられています。「神」が修行して「菩薩」になるその姿を表した「神像」のひとつなのです。

常念寺常念寺は室町時代後半の15世紀には開かれていました。

常念寺境内江戸時代の1833年に円空隣粲という僧が本堂と庫裏を再建したことがわかっています。

常念寺精華町でもっとも古い仏像を現在まで大切に守っています。