調理の道具
大根おろし
昭和のはじめころの大根おろし〔卸金:おろしがね〕で、金属(きんぞく)でできています。今はプラスチックのものが多いですね。もっとむかしは木や竹で作られていました。
採集地:北稲八間 備考:ラベル「[ ]札 心斎橋□安堂寺町南□ 奈良九金物店」、陽刻「宗」
七輪(しちりん)
コンロ、カンテキともいい、煮炊(にた)きに使う小さな炉(ろ)です。上の穴(あな)に炭を入れ火をつけます。下に空気を入れる穴があり、開け閉め(あけしめ)して火を調節(ちょうせつ)します。上に網(あみ)をのせ魚を焼(や)いたりしました。
整理番号:1423 採集地:川西小学校 備考:側面マジック書き「川西校 S38.12.20 10の7」
焙烙(ほうらく・ほうろく)
丸く平べったい素焼(すや)きの土器で、かまどなどにのせ、火であぶって、豆・米・イリコ(小さいおかき)などを炒(い)るのに使いました。
整理番号:1601 採集地:下狛里
- 所蔵者のお話
- 写真のほうらく(No.1601)は昭和30年代ころまで使っていました。豆や「キリコ」を炒(い)りました。
- 「キリコ」は、餅を短冊状に切って焙ったもので、おかきやあられに近い食べ物です。
- このほうらくは、かまどで使いました。かまどの写真に、ふたを載せたほうらくが写っています。
- 体験者の声(1)
- 餅(もち)を切って、「キリコ」にして、ほうらくで炒(い)って、醤油(しょうゆ)をつけて食べました。炒ったときの半乾(はんがわ)きのキリコがおいしかっ
- 体験者の声(2)
- 「キリコ」は「イリコ」〔炒り子〕ともいいます。
- 体験者の声(3)
- 子どもが泣(な)くことを「ほうらく割(わ)れた」といいました〔ほうらくが割れる時に大きな音がするので〕。
鮨型(すしがた)
精華町(せいかちょう)やその周辺(しゅうへん)では秋祭りにサバずしを作る風習(ふうしゅう)がみられます。鮨型の下がわにすし飯(めし)をしきつめて、上がわにサバをのせ、フタと重石(おもし)をおいて押(お)しずしを作ります。
整理番号:996
まな板
大きなまな板ですね。裏(うら)には4本の足があります。ふだん使うまな板ではなく、家に大勢(おおぜい)のお客を招(まね)いてごちそうを作ったときに用いたものでしょうか。裏に明治6(1873)年と書かれており、おおよそ140年前のまな板です。
整理番号:1006 採集地:(東畑) 備考:裏面墨書「維明治第六癸酉年 弥生吉祥日」
蒸籠(せいろ)
もち米やまんじゅうなどを蒸(む)す道具です。かまどに湯を張(は)った釜(かま)をすえ、その上にせいろを何段(なんだん)も積(つ)み上げて、釜から出る湯気(ゆげ)で食べ物を蒸しました。
整理番号:1595 採集地:精北小学校
桶(おけ)と杓子(しゃくし)
昔は味噌(みそ)・醤油(しょうゆ)・漬物(つけもの)を自分で作る家がたくさんありました〔味噌や漬物を作る家は、今もけっこうあります〕。仕込(しこ)みの容器(ようき)には、さまざまな種類(しゅるい)の桶が使われました。
味噌(みそ)は、大豆(だいず)や「こうじ」〔発酵(はっこう)を進めるカビ〕をまぜて桶(おけ)に1~2年ほど寝(ね)かせておくとできあがります。「しゃくし」を使ってかきまぜました。
整理番号:143桶、855杓子