ご飯を炊く
米揚げざる
竹で編(あ)んだ昔のざるです。水で洗(あら)った米をざるにのせ水切りをしてから、釜(かま)に入れてごはんを炊(た)きました。
整理番号:694
★体験者の声
「米揚(こめあ)げざる」の口のことを「どじょう口」といいました。
釜(かま)
昔は釜を「かまど」にすえて薪(まき・たきぎ)を燃(も)やしてごはんを炊(た)きました。ごはんをよく蒸(む)らしてふっくらさせるため、ぶあついフタをのせます。羽釜(はがま)ともいいます。
整理番号:1410 採集地:川西小学校
かまど
「かまど」は、煮炊(にた)きをした場所で、土やタイルでできています。上の穴(あな)に釜(かま)や鍋(なべ)をおいて、下の口から薪(まき・たきぎ)を入れ火をつけて煮炊きをします。かまどは「おくどさん」とか「へっついさん」と親しみをこめてよばれました。
★体験者の声(1)
かまどのことを「へっついさん」とよぶことが多かったです。わが家では、ちゃぶ台を使っていた時代〔昭和30年代〕は、かまどと釜(かま)でごはんを炊(た)いていました。わが家はまわりとくらべてわりとおそい時期まで釜でごはんを炊いていたと思います。
かまどから炊飯器(すいはんき)にかわった時期、「石油(せきゆ)コンロ」というものがあり、七輪(しちりん)にかわってこれでおかずを煮炊(にた)きしました。しかし、石油コンロは短い間で消えてしまいました。当時、石油コンロによる火事が起こることがあり、危険(きけん)でした。
★体験者の声(2)
昭和40(1965)年に精華町内(せいかちょうない)に嫁(とつ)いできたとき、嫁ぎ先はまだ釜(かま)でごはんを炊(た)いていました。しかし、わたしがそれまであまり釜で炊いた経験(けいけん)がなかったこともあって、炊飯器(すいはんき)を使うようになりました。
炊飯器
昭和30~40年代ごろから、ガスや電気の炊飯器が広まり、台所からかまどのない家が増えていきました。
ガス炊飯器
整理番号:298 備考:「プロパンガス 型式PK25A」「松下□器□業株式会社」
★体験者の声
写真のようなガス炊飯器(No.298)を長い間使いました。当時は、電気釜のご飯よりガス釜のほうがおいしく炊けたと思います。
電気炊飯器
整理番号:1618 採集地:下狛舟 備考:「型式SR-201RT」(松下電器産業株式会社)
電気炊飯器
整理番号:1603 採集地:南稲八妻 備考:「タイガー炊飯電子ジャー JCC-2700」
おひつ
炊(た)いたごはんを釜(かま)から移(うつ)しかえて入れておく容器(ようき)です。木で作られたおひつには、ごはんの余分(よぶん)な水気を吸(す)い取ってくれるはたらきがあります。
整理番号:1412 採集地:川西小学校
★体験者のお話
・おひつのタガがゆるんでしまった時は、水にぬらしてやると締(し)まって元にもどります。
おひつふご
冬の寒い時期、ごはんが冷(さ)めないよう、わらで編(あ)んだカバー〔ふご〕をおひつにかぶせました。昔の人はあたたかくごはんが食べられるよう、こんな工夫(くふう)をしていました。
整理番号:778 採集地:(南稲八妻)
★体験者の声 (1)
・おひつ入れを「ふご」とよんでいました。★体験者の声(2)
冷(さ)めないように、わらの「おひつ入れ」に入れたごはんを田んぼに持って行きました。★体験者の声(3)
昔は写真のものよりも大きいわらの「おひつ入れ」があり、それにおひつを入れて、わらとおひつの透き間(すきま)に毛布(もうふ)を入れました。古くなったおひつ入れは、〔子守り用に〕赤ちゃんを入れるのに使いました。
★体験者の声(4)
毛布(もうふ)でつつみました。
飯かご (めしかご)
夏の暑い時期は、ごはんが蒸(む)れて腐(くさ)らないよう、風通しのよい竹で編(あ)んだかごに入れて、すずしいところでごはんを保存(ほぞん)しました。かごをつるすこともありました。
整理番号:703
★体験者の声(1)
飯(めし)かごに布巾(ふきん)を敷(し)いてごはんを移(うつ)しました。大阪(おおさか)の実家(じっか)は台所が吹(ふ)きぬけだったので、飯かごを上からつるしました。★体験者の声(2)
飯(めし)かごにくっついてかたくなったごはんを取って炒(い)って食べました。