お茶とお酒
茶臼(ちゃうす)
お茶の葉を挽(ひ)いて抹茶(まっちゃ)を作る石臼です。茶臼は上下2段(だん)に分かれていて、上の口からお茶の葉を入れ、取っ手を回すと、葉がすりつぶされて細かい粉(こな)、すなわち抹茶になります。
整理番号:1313 採集地:菱田
煎茶道具(せんちゃどうぐ)
煎茶用の急須(きゅうす)・湯ざまし・煎茶碗(せんちゃわん)のセットです。玉露(ぎょくろ)や高級な煎茶の場合、湯ざまし・茶碗に入れて温度を下げた湯を使うと、渋(しぶ)みがおさえられ、うまみをふくんだお茶を楽しめます。
整理番号:429 備考:木箱蓋表墨書「半磁器籠函煎茶瓶 平安(印)」
たぬきの置物(おきもの)
お使いでお酒を買いに行く子ダヌキの姿(すがた)といわれます。笠(かさ)を背負(せお)い、右手〔あなたから見て左〕には「通い徳利(とっくり)」、左手〔あなたから見て右〕には「通い帳」を持っています。酒屋で「通い徳利」にお酒をつめてもらい、「通い帳」にいくら買ったかメモしてもらいます。
個人蔵
通い徳利(かよいとっくり)
今ではお酒はあらかじめビンや紙パックに入れて売られていますが、昔は通い徳利を持って酒屋に行き、店で徳利にお酒をつめてもらって家に持ち帰りました。
整理番号:975 備考:「辰百八十一 山久」
通い帳
昔の買物では、ふだんお客は店に「通い帳」という帳面を持って行き、何を買ったかを書きこんでもらうだけでいちいちお金は払(はら)わず、お盆(ぼん)や年末(ねんまつ)にまとめて代金を支払(しはら)うことが広くおこなわれていました。これを「掛(か)け買い」といいます。
個人蔵
ちろり
お酒を温める〔燗(かん)をする〕道具です。中にお酒を入れて、容器(ようき)ごと湯につけて温めます。
整理番号:972
盃(さかずき)
お酒を注(そそ)いで飲む器(うつわ)です。記念(きねん)の品として特別(とくべつ)な文字やデザインをあしらった盃を作って関係者(かんけいしゃ)に贈(おく)ることもありました。とりわけ、明治から昭和前期の時代には、兵役(へいえき)を無事(ぶじ)に終えたときの記念品として盃が広く配られていたようです。
整理番号:1208 採集地:(東畑)
鉄瓶(てつびん)
火鉢(ひばち)にのせ、お茶などに使う湯をわかしました。これは、明治37(1904)~38年に起きた日露戦争(にちろせんそう)のとき、稲田村(いなだむら)〔北稲八間(きたいなやづま)・南稲八妻(みなみいなやづま)・植田(うえだ)〕の尚武義会(しょうぶぎかい)という団体(だんたい)が記念(きねん)に作った鉄瓶です。日露戦争に行った兵士(へいし)の子孫(しそん)の家に伝(つた)わりました。
個人蔵(北稲八間) 備考:側面陽刻「征露 紀念」、蓋表面陽刻「帝國萬歳」、蓋裏面陰刻「稲田村尚武義会 明治卅七八年役」