重箱とお膳~特別な日の食事~

重箱
重箱
重箱(じゅうばこ)
おめでたい日やお出かけのときにごちそうを入れる箱です。お正月のおせち料理(りょうり)をつめたり、結婚(けっこん)などの祝(いわ)い事があったときに赤飯(せきはん)を入れて配ったりします。

整理番号:1229

体験者の声
小さい重箱(じゅうばこ)は足のついた膳(ぜん)の上にのせ、回向(えこう)のために白米を入れました。昔はマッチを入れて返しました。

湯桶

湯桶(ゆとう)
湯や汁(しる)などを注(そそ)ぐ道具です。おもにお客をもてなす場で使われました。おそば屋さんでみかけたことはありませんか。

整理番号:1612 採集地:下狛舟

コラム:道具 と ことば


入れ子

入れ子

入れ子
重箱(じゅうばこ)の一種(いっしゅ)ですが、大きい重箱のなかに小さい重箱をいくつも組み合わせて仕舞(しま)うことができます。お祝(いわ)いとして親類(しんるい)や近所に赤飯(せきはん)などを配るときに使いました。大きい重箱ほど、つきあいが深い大切な家に配ったといわれます。

整理番号:807

体験者の声
入れ子の重箱(じゅうばこ)は大きい箱しか使ったことがありません〔小さい箱は使わなかった〕。結納(ゆいのう)の時には、この大きい重箱に「オタメ」として赤飯(せきはん)をつめてわたしました。

提重箱(さげじゅうばこ)
提重箱(さげじゅうばこ)
提重箱(さげじゅうばこ)
重箱を手提(てさ)げのついた箱に入れ、持ち運びができるようにしたものです。ごちそうをつめて、お花見などの行楽(こうらく)に持っていきました。

整理番号:1165


食い初め膳(くいぞめぜん)

食い初め膳(くいぞめぜん)
赤ちゃんが生まれて百日目をむかえ、はじめてごはんを食べさせる〔まねをする〕お祝(いわ)いの行事を「食い初め」といいます。お頭(かしら)つきの魚をそえたり、歯がかたくなるようにと小石を食べさせるまねをしたりする家庭も多いようです。

個人蔵(下狛舟)


朱塗りの膳

朱塗りの膳(しゅぬりのぜん)
朱塗りの膳や椀(わん)は結婚式(けっこんしき)などのおでたい席(せき)で使われました。今は専用(せんよう)の式場でおこなうことも多いですが、昔は家で結婚を祝(いわ)う宴会(えんかい)をしました。

整理番号:・1605膳、1610朱塗の椀、1611塗り箸 採集地:下狛舟


黒塗りの膳

黒塗りの膳(くろぬりのぜん)
黒塗りの膳や椀(わん)はさまざまな席(せき)で使い、おめでたい席でも用いましたが、仏事(ぶつじ)〔葬式(そうしき)〕の場ではふつう黒塗りの膳や椀を使いました。昔の家庭では、誕生(たんじょう)・結婚(けっこん)・死去(しきょ)と人生の節目(ふしめ)ごとにさまざまな行事をおこない、いろいろな膳や椀が使われました。

整理番号:・1604膳、1607黒塗の椀、1608黒塗の皿、1611塗り箸 採集地:下狛舟


木箱に入った揃(そろ)いの膳(ぜん)

木箱に入った揃(そろ)いの膳(ぜん)
昔の結婚式(けっこんしき)や葬式(そうしき)では、家で料理(りょうり)を作り、大勢(おおぜい)のお客を招(まね)き料理を振舞(ふるま)いました。そのため大きな家では色や形が同じ膳や椀をたくさん用意していました。これは江戸時代(えどじだい)に村役人をつとめた家に伝(つた)わった膳で、天保(てんぽう)2(1831)年〔おおよそ190年前〕の木箱におさめられています。

整理番号:1158 採集地:東畑 備考:木箱蓋表墨書「黄吸物ぜん 弐拾人前之内 拾人前」、木箱蓋裏墨書「天保二辛卯歳正月日」