繭(まゆ)から糸をとる道具

箱座繰(はこざぐり)

箱座繰(はこざぐり)

箱座繰(はこざぐり)

箱座繰(はこざぐり)
座繰(ざぐり)は、繭(まゆ)から生糸(きいと)をとるための道具です。
湯をわかした鍋で繭を煮て、繭から糸を引き出し、座繰のハンドルを回して歯車を回転させ、糸に縒(よ)りをかけながら、糸枠(いとわく)に巻きとります。
写真は「箱座繰」とよばれるタイプの座繰です。写真の箱座繰は、鍋で煮た繭をすくいとるときに使う金網(かなあみ)のふるいを内側に収納できるようになっています。

整理番号:652 採集地:南稲八妻
備考:焼印「製造人伊賀上野大字車阪今井亀松」、墨書「明治三拾五年六月日」


踏み座繰機(あしぶみざぐりき) 〔だるま〕
踏み座繰機(あしぶみざぐりき) 〔だるま〕

足踏み座繰機(あしぶみざぐりき) 〔ダルマ〕
繭から生糸をとる足踏み式の大型の道具です。
下の方に繭を煮る鍋と火鉢(ひばち)を置きます。足元のペダルを踏むと、ペダルと連動して中央の動輪が回転し、鍋の繭から引き出した糸を上の方にとりつけた糸枠に巻きとります。イスに座って作業します。ふつうの座繰にくらべるとずいぶん効率よく糸をとることができました。

整理番号:247 備考:焼印「請合 長濱町 字郡 指立」

足踏み座繰り機を使った作業の様子
足踏み座繰機を使った作業の様子(人形による復元)
浅井歴史民俗資料館提供


コラム 繭から絹へ 

コラム 松田弥三郎が描いた蚕糸業の発展