正条植え
同じ間隔(かんかく)を空けてまっすぐの列になるよう田に苗(なえ)を植えることを「正条(せいじょう)植え」といいます。正条植えが広まったのは明治時代のこととされています。
苗をまっすぐ等間隔に植えるための道具も地域によってちがいがありました。精華町内の農家の方が、昔の田植えの地域差について、親類がいた北陸地方と比べて、次のように話してくださいました。
「山城〔京都府南部〕や大和〔奈良県〕では、田植縄(たうえなわ)という縄を田の縦方向にわたして、これを目じるしに後ずさりしながら植えることが多かったです。縦方向に下がることを「ゼリ」といいました。田に水を入れておいてから田植えをしました。
一方、北陸地方では、六角形のワクを前へ前へと転がして、田の土に十字型のあとを付け、これを目じるしに苗を植えていました。つまり、山城・大和とは逆に、前進しながら苗を植えていきました。また、土に付ける十字型のあとが目立つように、田植えの時は水をぬいておき、苗を植え終えてから水を入れました。」
正条植えが導入されたことによって、除草機を使った草取りと中耕も広まり、農作業の効率が上るようになりました。